首都大学東京 研究センター

首都大学東京 Tokyo Metropolitan University

火山災害研究センター

小林 淳

首都東京に影響を及ぼす諸火山の活動特性を解明し、防災対応に繋がる科学的データを提供することによって、地域社会との橋渡し役を担います

 

特任准教授 小林 淳
首都大学東京大学院
都市環境科学研究科
地理環境科学域  理学博士、技術士(応用理学)

 2017年10月より、本学の都市環境科学研究科地理環境科学域に着任しました。専門は火山学・火山地質学であり、主に噴火堆積物の層序学的手法に基づき、火山噴火の歴史を紐解き、火山の生い立ちを解明する研究を行っています。学生時の研究を含め20年以上、箱根山、富士山等が位置する伊豆半島北端部を中心に研究を続けており、特に箱根山では、約3200年前のマグマ噴火以降、それまで存在が知られていなかった噴火堆積物を発見し、鎌倉時代に発生した箱根山噴火の存在を明らかにしました。この発見は、ハザードマップの基礎資料として活かされ、2015年噴火の際にも、防災対応の一助になりました。

 箱根山、富士山等の調査では、伊豆諸島の火山の噴火によって飛来・堆積した火山灰が、それらの噴火の歴史を精度よく明らかにするための重要な役割を担いました。

 火山災害研究センターでは、この火山灰の給源となった火山を含む伊豆諸島の諸火山を対象に、地形地質学的手法及び年代測定・理化学分析等を駆使することによって、火山噴火の歴史を時空間的かつ定量的に示しながら、長期的な活動変遷の解明だけでなく、個々の噴火単位での発展推移の特徴を把握することを目指します。そして、これらの特徴をもとに、近い将来に起こるであろう噴火に対する防災対応の基盤となる、噴火の発生条件-推移-ハザードを関連づけた「噴火シナリオ」を構築したいと考えています。一方、伊豆諸島の諸火山は、島嶼という特異な地理的条件にあり、火山噴火に対する防災対応には、噴火の状態・推移を分岐とした避難計画を準備することが重要となります。本センターには、社会科学系の研究者も参画しており、これらのメンバーと協働しながら、伊豆諸島の社会条件を反映した防災対応の在り方を検討したいと考えております。